おとといは、千里の天神さん・上新田天神社の「大阪とんど祭」へ行って来ました。
上新田天(かみしんでんてん)神社は、北大阪急行千里中央駅から程近い所にある神社。千里ニュータウン造成以前から集落があった上新田村(現在の豊中市上新田)に位置しています。詳しい創建の時期は不明とのことですが、他の場所から移転し、上新田村の開墾の際、貞享3年(1686年)に本殿が再建されたと記録が残っています。
現在も貞享3年建立の本殿が残っており、豊中市の有形文化財に指定されています。

▲伝統の手法により、組み上げられたやぐら。
「大阪とんど祭」は、毎年1月14日に行われる左義長の神事。伝統ある火祭りで、豊中市の無形民俗文化財に指定されています。
古いお札やお守り、御神矢、門松、しめ縄などを巨大なやぐらに納めて、火を焚き、神への感謝の気持ちと、その年の豊作、無病息災を祈願します。
神事が始まるのは、午後7時半。その少し前に境内に到着すると、すでにたくさんの人がやぐらの周りに集まっていました。8時の点火を前におはらいなどが行われました。安全のため、多くの消防士さんも見守っています。

▲安全のため、多数の消防士さんも見守る。
やぐらは、1本の松を中心に立て、周囲を多量の竹やわらで円形に形作るという伝統の手法が用いられています。
そこに御神火を移すのは、氏子から選ばれた代表者数名。8時に火が移されると、しばらくは沈黙の時間が続きましたが、17分程経って、てっぺんから火山の噴火のように煙と火が噴き出し始めました。そして、みるみる火が大きくなっていきました。火が真上に上がると、その年は豊作になると言われています。

▲8時17分頃、てっぺんから火が噴き出し始めた。

▲火が見え出すと一気に全体へ広がった(8時19分)。
火柱は、10数mはあろうかという高さになり、バチバチと破裂する音がして大迫力。そのてっぺん近くに、横から竹に吊したたくさんの書き初めをあてて燃やされていきます。書き初めを焼いた火が高く上がると字が上達すると言われています。

▲竹に吊した書き初めが燃やされる。
あまりにも火の勢いが強くて、近くで見るのには怖さを感じました。一部の人が退避し始め、当ブログも一旦、境内下への階段へ退避しました。しかし、そこまで火の粉が降ってきて、ジャンパーに穴が開いてしまいました。これは御利益があったと考えた方がよろしいでしょうか。今後、参加される方は、ぜひ服装にご注意下さい。
その直後、何やら止まっていた消防車がサイレンを鳴らし始め、続々と消防士さんが境内から車の方へ。何事かと思いきや、どうやら、他への本当の出動があったようでした。
とんどの火が小さくなってくると、参拝者の方々が1mほどの竹串に刺した餅「破魔餅」を火に差し出していました。残り火で餅やおかゆを調理すると、1年間無病息災で過ごせるという習わしがあるのです。破魔餅は、500円で授与されており、点火の前に、これを求める人の行列ができていました。

▲残り火で「破魔餅」を焼いて無病息災を願う。
【地図】上新田天神社
大阪府豊中市上新田1−17−1
北大阪急行・大阪モノレール 千里中央駅から南へ徒歩8分。
●マンション開発により失われた「とよなか百景」の竹林
さて、
3年前の初詣の記事で、千里中央駅からこの神社へ、昔から残る竹林を抜けてたどり着くと、ご紹介しているのですが、今回もこの竹林を抜けて行こうと、道の入り口へ着くと、柵が立てられ通行止めに・・。なんともショッキングなことに宅地開発のため、すでに竹林がなくなり更地になってしまっていました。

▲閉鎖された神社への道。よく見れば竹林がなくなっていた。
先日の記事の垂水神社と同様に、こちらもマンション開発の波に襲われていたのです。これにより、「
とよなか百景」にも選ばれた竹林がなくなり、約400年守られた鎮守の森に囲まれた神社の背後には14階建てのマンションがそびえ立ってしまうと、神社に説明が貼り出されていました。
▲見たくない神社の背後にマンションが迫る光景(神社が配布しているイメージ画像)。
駅周辺の都会の風景から竹林を抜けると、まるでタイムスリップしたかのように田園風景が現れ、神社にたどり着くという奇跡的な光景が、すでになくなってしまっているというのは、非常に残念なことです。

▲マンション開発により、なくなった竹林の道(左)と田園風景(2009年1月8日撮影)。
その「とよなか百景」の一つを壊してしまったマンション開発の業者が、「MID都市開発」と「近鉄不動産」という有名企業であるというのは信じがたいことです。
また、この工事を請け負ったのは、中堅ゼネコンの「淺沼組」です。この淺沼組により、とんど祭り用に育てられていた松の木が、無断で伐採され、今年のとんど祭りの開催が危ぶまれるという事態も発生したとのことです。
竹林保全の問題は、2010年に豊中市議会で取り上げられており、また環境保全審議会において、業者に保全するよう申し入れられたものの、受け入れられなかったとのことです。
竹林は、もう失ってしまいましたが、マンションは、まだ建っていませんので、これ以上、神社の風情を失うようなことにならないよう訴えかけていかなくてはなりません。垂水神社同様に、こちらでも反対運動により署名を募っていましたので、しっかり書き記してきました。
▲神社側から見た千里中央駅方面。間にあった竹林がなくなり、直接ビル群が見えるようになってしまった。現在、地権者による区画整理事業が行われており、仮設の歩道が通されている。
今日には、毎日放送の報道番組「
VOICE」の「憤懣本舗」のコーナーで、先日の垂水神社の問題に続く第2弾として、こちらのマンション問題が取り上げられました。
その内容によると、元々の地権者13人により、共同で宅地開発されることになり、一部がマンション業者に売却されたとのこと。地権者の方々は、この竹林に愛着がなかったのでしょうか。無責任な売却が行われて、非常に残念です。豊中市に購入を打診するなどの方策はなかったのでしょうか。
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