先月、大阪・豊中市にある桜塚古墳群の現存する古墳5基を巡ってきました。
▲大塚古墳
先日、大阪・藤井寺市の古市古墳群(世界遺産)の登れる古墳の
訪問記をお送りして、敷地内に入れる古墳があるのだなぁと感心していたのですが、灯台下暗しでした。
我が北大阪には、桜塚古墳群があり、そこにも登れる古墳があるのではないかと調べてみたところ、存在することが分かりました。そこで、これはぜひ、行っておかなければと、早速訪問することにしました。
▲大塚古墳から出土した方格規矩獣文鏡のレプリカ(公園内に設置)。
当ブログで、12年前に、この近くの
ベーカリーをご紹介した際に、桜塚古墳群のうちの1つ、大塚古墳の写真1枚を載せて、少々ご紹介していたのですが、実は、これが登れる古墳でした。当時は、把握してなかったようです。
桜塚古墳群は、豊中市の阪急岡町駅周辺に点在する北摂有数の古墳群です。4世紀中頃から5世紀末にかけて造られたもので、明治時代まで36基が残っていたということですが、宅地開発などで取り壊され、現在は5基しか残っていません。その現存5基は、昭和31年(1956年)に国の史跡に指定されています。
▲中段の縁を歩いて大塚古墳のてっぺんへ。
●大塚古墳
現存5基のうちの1つ、大塚古墳が憤頂に登れる古墳です。阪急岡町駅から東へ約1kmの所にあります。4世紀末から5世紀初めに造られたものと推定されています。3段築成の円墳だったということですが、現在は2段築成に復元されています。直径は56m。周囲には、幅12mの濠があったとのことですが、現在はありません。大塚公園として整備されており、広場では多くの子供達が遊んでいます。
▲憤頂には、埋葬されていた3棺の位置が分かるように線が引かれている。
階段が2つあり、中層の段上を歩くこともできます。墳頂には、3棺が埋葬されていたということで、その位置が分かるように線が引かれています。憤頂からの景色は、周りの木々や建物に遮られて、あまり遠くは見えませんでしたが、大阪国際空港(伊丹空港)に降りてくる飛行機を見ることができました。
▲大塚古墳憤頂から南側を望む。
▲伊丹空港へ降りてくる飛行機が見えた。
▲北側には、コロナ禍で多忙を極める豊中市保健所が見えた。
【地図】大塚古墳(大塚公園)
住所:豊中市中桜塚4-15
▲大塚公園の砂場には、古墳を模したような造形物が造られている。
●御獅子塚古墳
御獅子塚(おししづか)古墳は、大塚古墳のすぐ南側にあります。5世紀前半に造られた2段築成の前方後円墳で、全長は55mあります。周囲に濠が巡っていましたということですが、今はありません。現在は、きれいに整備され、階段も設置されていますが、残念ながら、柵があって、中には入れないようになっています。周囲を巡っていた埴輪も復元されています。
▲円筒型の埴輪が並ぶ御獅子塚古墳。
●南天平塚古墳
南天平塚(みなみてんびんづか)古墳は、御獅子塚古墳から南へ少々の所にあります。桜塚古墳群の中で最後の時期の5世紀後半に造られた2段築成の帆立貝式前方後円墳だったということです。全長は28mあり、周りには幅約7mの濠があったということです。
▲周りが削り取られて古墳らしく見えない南天平塚古墳。
昭和10年代に区画整理が行われた際に、道路建設によって4分の3が削り取られてしまい、現在は北西部分のみが残っています。正面から見ると、ロータリー中心部の植え込みのように見えて、古墳らしくないですが、裏側から見ると、石垣があって高くなっており、正面よりかは古墳らしく見えます。
▲裏から見ると、高くなっており、少しは古墳のように見える。
●大石塚古墳・小石塚古墳
大石塚古墳・小石塚古墳は、阪急岡町駅の西側にあり、南北に隣接しています。共に前方後円墳で4世紀中頃に造られました。間に遊歩道が通っており、そこから、柵越しに見られます。
▲大石塚古墳
南側の大石塚古墳は、3段築成で、全長は80m以上あり、桜塚古墳群の中で最も大きな古墳です。北側の小石塚古墳は、2段築成で、全長は49mです。現在のような住宅地になる以前、両古墳を含むこの付近は原田神社境内の山林だったそうです。
▲小石塚古墳
●桜塚碑
原田神社に隣接する岡町商店街に、桜塚碑という石碑があります。この碑は、大正12年(1923)に建てられたもので、”桜塚地区には多数の古墳が存在したが、桜を植えて憤域を飾り、桜塚と称した、これが村名(桜塚村)の由来になった”ということが記されています。この碑の裏には、桜塚ショッピングセンターがあり、そこには、かつて桜塚古墳群のうちの1つ、桜塚古墳がありました。
●[番外]梅塚古墳(服部緑地内)
大塚古墳から東へ約1.5kmの所に大阪府営公園の服部緑地がありますが、こんな意外な場所にも古墳跡があります。桜塚古墳群と同時期に造られた高さ10m以上もある前方後円墳で、梅塚古墳と称していました。しかし、昭和15年の服部緑地造営と昭和34年の円形花壇の造営により失われ、現在は、わずかな堆積土を残すのみとなっています。
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