●局の垣根を越える実況アナウンサー
五輪中継を見ていると、NHKで見ているのに民放らしいテンションの実況をしていたり、NHK−BSと民放で同時放送している時、同じ実況の声が聞かれたりすることがよくあります。それは一体、どうしてなのでしょうか?
それは、競技の映像部分(「国際映像」に重ねられる映像と実況)は完全にNHKと民放の共同制作になっているために起こるもの。各局から送り込まれたアナウンサーは、放送される局に関係なく、競技ごとに振り分けられて担当が決められています。そのため、NHKであっても民放のアナウンサーが登場したり、その逆のパターンが起こるのです。
近年、オリンピックの日本での放映権は、NHKと民放で組織するジャパンコンソーシアムが一括購入しています。競技の映像は世界から集まった技術者で作られている世界共通の「国際映像」なのですが、そこに挿入される日本向け映像や実況は、このジャパンコーソーシアムが制作しています。ちなみに柔道の国際映像は、世界選手権で国際映像制作の経験があるフジテレビのスタッフが担当しているそうです。
●同一競技を生中継できるのは、地上波で1局
地上波の生中継はNHKと民放各局で持ち回りになっています。NHKが一番放映時間が多く、テレビ欄でも目立っているので、NHK(地上波)さえ見ていれば全部やってくれる思いがちかも知れませんが、1つの競技をライブで放送できるのは地上波で1局だけと決められています。そのため、民放で生中継している競技は、NHKでは見られません(BSは別)。すべてをライブで見ようと思ったら、その時々でチャンネルを換えるのがうまい見方と言えます。
さて、中継映像が日本で共通となると、各局独自の個性を出すにはスタジオでの解説や紹介映像にかかってきます。そのため、各局、タレントや元スポーツ選手をキャスターに起用して、スタジオを盛り上げることに力を入れています(NHK以外)。その中で今回、特にフレッシュなのは、キャスター初挑戦の古田敦也さん(元プロ野球選手)と相武紗季さん(タレント)を起用したフジテレビではないでしょうか。流石は常に新しいものを追い求めるフジテレビらしいと思いました。また、フジテレビは、スタジオセットのデザインやタイトルCG、字幕スーパーに至るまで、各局で一番センスが良いという印象です。
北京五輪 各局のキャスター・主な出演者 | |
日本テレビ | 明石家さんま(タレント) 櫻井翔(タレント) 堀尾正明(元NHKアナウンサー) 浅尾美和(ビーチバレー選手) 鈴江奈々アナ |
TBS | 中居正広(タレント) 岩崎恭子(元水泳選手) 出水麻衣アナ 高畑百合子アナ |
フジテレビ | 古田敦也(元プロ野球選手) 相武紗季(女優) 浜田雅功(タレント) 平井理央アナ |
テレビ朝日 | 松岡修造(元プロテニス選手) 武内絵美アナ |
テレビ東京 | 草野仁(元NHKアナウンサー) 荒川静香(プロフィギュアスケート選手) 大橋未歩アナ 大江麻理子アナ |
●民放5社タッグでNHK−BSに対抗
中継映像がNHKと民放で共同制作といえども、NHKはBSで民放と同じ競技を生中継していることが多い(BSなら同時中継可能)ので、両者はライバルであることに違いありません。そのため、民放5社はタッグを組み、「北京観るなら民放で」と、5社のアナウンサーが登場するテレビCMや新聞広告を制作し、PRに力を入れています。また、5社共同で公式動画サイト「gorin.jp」を運営しています。
民放の五輪番組では、各社共通のCGタイトルが冒頭で流され、そのあと、各社独自のCGタイトルが流れて番組が始まります。ハイライト番組は、平日は夜に1時間(北京五輪TODAY)、土日は朝に2時間、民放各局持ち回りで放送されています。基本的にその日生中継を放送する局が担当することになっています。また、おそらくメダリストが多数生出演する前半戦ハイライトが16日(18時・TBS)、総集編が24日(18時・日本テレビ)で放送されます。民放すべての放送日程は「gorin.jp」で確認できます。
●日本代表選手の出場予定が1分単位で・・
テレビ局のサイトではありませんが、テレビ観戦に便利なのがJOCの北京大会スペシャルページです。1分単位で日本代表選手団の出場予定時刻が分かります(当日朝にならなければ、データがアップされない点は不便。また、各選手のその日最初の出場時刻のみ表記され、その後の決勝開始時刻などは表記されないので注意。)。
●女子マラソンは日テレが独占放送
17日午前の女子マラソンは日本テレビが独占生中継します(NHK-BSの放送もなし)。また、民放ラジオでも101社統一番組として放送(ゲスト:萩本欽一)。日本全国、民放のAM・FMどこに換えても女子マラソンという状況になります(NHKはAM第1で放送)。
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タグ:オリンピック
いろんな人のブログを見ていました。
参考にしたいと思います。
私のブログも見てください。
興味がなければ、すいません。スルーしてください。
できるだけ、記事に関係のあるコメントをお願いします。
ブログ拝見しました。
競技を放送し続ける。
これがベストということが民放は分からないんでしょうか?
ストレスを溜めながら中継を見なければならないことに疑問を感じます。
こういった意見、毎度毎度あることは分かっております。
しかし、スポーツに元々興味がなかった僕のような者にとっては、スタジオでの解説やどんな風にすごいのか盛り上げてくれると分かりやすくて非常にありがたいのです。
そういった華やかな番組作りがきっかけとなってオリンピックに興味を持つようになりました。
テレビとしても商売ですので、純粋にスポーツに興味がある人だけでなく、より多くの人を取り込んで視聴率を稼ぐ必要があるのでしょう。放映権料も高額ですので・・
逆に僕はNHKが名も知れないアナウンサーひとりで地味にやっているのが理解できません。ゲストひとりくらい呼べばいいのにと思います。