車両には記念のヘッドマークが掲げられ、記念切符や記念カード、グッズが発売されました。また、先月末からは広告の相互出稿が行われ、阪神タイガースの広告が阪急梅田駅に、阪急の宝塚歌劇の広告が阪神梅田駅に登場しました。
関西以外の方にはピンとこないかも知れませんが、阪急と阪神は全くの異質なるものです。高級感がある阪急と庶民的な阪神、同じ大阪・神戸間に路線を持ち100年来のライバルだった両社が一緒になって、これからどう変わっていくのか、期待感で興味津々でありますが、それぞれの文化が壊されず守られていくのか、不安にも思います。
<阪急梅田駅には阪神タイガース公式ファンクラブ会員募集の広告が登場。>
底値ブログとしては、この統合によりお得になるものは何かをご紹介したいところですが、残念ながら現時点でズバッとお得になりそうなものはありません。額面が同じ回数券のみ共通化するそうですが、大してお得になる感はありません。また、お互いの駅の近くを走りながらも双方の駅へ乗り入れていなかったバス路線が見直されますが、これは統合しなくても自治体がリードすればできたことではないかと思います。
<トラッキー、ラッキーも登場。>
<阪急車内の中吊りにも・・>
さて、極もんが一番やってほしいのは、鉄道運賃の統合です。両社線を乗り継いでも初乗り運賃が1回しか支払わなくて良いようになれば、通し運賃で行動できる範囲が拡大して大変お得になります。しかし、阪急と阪急子会社の能勢電鉄の間でも運賃は別々であるので、それが実現するのは相当難しそうです。それが難しいなら、初乗り運賃1.5回分にはできないでしょうか。例えば阪急から阪神に乗り継げば、阪神分の初乗り運賃を半額にするのです。それなら、減収の影響は少なくて済みそうですし、これによって利用者が増えれば増収になる可能性もあります。
<阪神梅田駅には阪急の宝塚歌劇の広告が登場。>
<到着する電車内から窓の外一杯に宝塚歌劇の広告が広がる様は、
何だか滑稽にも思える。>
ところで、大手私鉄をまるごと買ってしまうという阪急の財力には目を見張るものがあります。借金は膨らみましたが、こんなにお金を出せるのなら、大阪府からの文化財登録打診を断ったという旧梅田駅コンコースを残したまま阪急百貨店を建て替えることは可能であったと思います。バリアフリー化を理由に残すことはできないと言い続けた阪急。儲けに直接繋がらないものにはお金を掛けたくないといったところでしょうか。社長の顔がメディアに登場する度に「コンコース壊した人や」と思ってしまいます。もし残したまま建て替えていれば、本当に"あっぱれ"な会社となったことでしょう。先日、阪急の儲け主義に戸惑いを感じたという阪神幹部の声が新聞を通して聞こえてきました。やはり、阪急は儲け主義一辺倒の会社になってしまったのでしょうか。現在、上の階から解体が進められている阪急百貨店。工事の手が1階までたどり着くと、コンコースとは本当のお別れです。
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