
伊射奈岐(いざなぎ)神社は、大阪府吹田市山田東の高庭山という小高い山の山腹にある神社。かつて、ここは山林に囲まれた旧山田村の集落の一角でしたが、現在ではニュータウン開発が進み、幹線道路も通る住宅地の神社となっています。

延喜式神明帳(延長5年(927年)にまとめられた全国の官社に指定された神社一覧)に「摂津国島下郡、伊射奈岐神社二座云々」とあり、うち一座がこの神社です。
雄略天皇の代(457年頃〜479年頃)に、伊勢神宮の斎宮である皇女・倭姫の示教によって岡本豊足彦が五柱の皇大神を奉祀する地を探し求め、付近の小川谷の地にまつったといわれています。

それがこの神社の起源で、その後、仁寿2年(852年)に現在地の高庭山に移されたとのことです。また、山田という地名は、伊勢山田から名を移したと伝えられています。
約1.5km南西の吹田市佐井寺にも同名の神社があり、「伊射奈岐神社二座」のもう一座を指します。起源は同じですが、どちらが先にできて、どのようにして分かれたかは定かではないようです。

付近の道路には、佐井寺の伊射奈岐神社へ案内する看板があり、同名の神社があることを知らなければ、間違えてしまいそうです。
初詣に車で訪れる人が多く、駐車場に入る車の行列ができていました。車の列は、近くの交差点を曲がった所まで続き、そこに左折の渋滞だと思った路線バスが並んでしまっていました。バスには、神社の関係者が知らせる必要がありそうです。

▲神社の駐車場に入る車の行列(元日午後1時前)。

▲趣がある山田川を渡る参道の風景。
北側の鳥居から境内に入ると、ここまで参拝の人の大行列が延びていました。ここから露店が出ている所を抜けて、さらに階段を上がると本殿がある広場となります。そこまで、行列の先を見に行くと、なんと、この行列は手水舎につながっていました。手をお清めする人の行列だったのです。

▲手水舎に並ぶ人の行列最後尾(元日午後1時すぎ)。

▲この階段を上って、やっと手水舎にたどり着く。
毎年、初詣に違う神社を訪ねていますが、手水舎にこんな大行列ができているのを見たのは初めてです。本殿の拝殿へお参りする人の行列は、この広場内に収まる程度でした。

▲本殿にお参りする人の行列最後尾(元日午後1時すぎ)。

拝殿の後方にある本殿は、17世紀末頃(江戸時代中期)の建築と考えられており、大阪府下では希少な五間社流造で、大阪府の指定有形文化財となっています。

▲大阪府指定有形文化財の本殿について記された案内板。
こちらの御祭神は、女神の伊射奈美命(いざなみのみこと)。佐井寺の伊射奈岐神社の御祭神は、男神の伊射奈岐命(いざなぎのみこと)であり、夫婦関係の神様が別々にまつられていることになります。

▲境内社の天満宮、八幡宮、八王子社がまとめられた拝殿。なぜか中央の八幡宮にのみ行列ができている。
本殿の拝殿の隣には、境内社の八幡宮、天満宮、八王子社をまとめた拝殿があり、今回はこの八幡宮にお参りして、本殿には改めてお参りすることにしました。また、階段の下にある稲荷社、弁財天にもお参りしました。

▲稲荷社
1月9日から11日には、商売繁盛を願う「山田えびす」(戎祭)が行われます。

▲「嘉永七甲寅歳九月 再造立」と刻まれた鳥居(左)と、「天保五甲午年八月吉日」と刻まれた灯ろう。

▲「ホームレス中学生」の著者で知られる芸人の麒麟・田村裕さんが実際に野宿していた山田西第2公園は、伊射奈岐神社から程近い所。
阪急バス 山田宮の前停留所、または新小川停留所からすぐ。
阪急千里線 山田駅から徒歩22分。
大阪モノレール 万博記念公園駅から徒歩18分。
住所:大阪府吹田市山田東2丁目3-1
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2016.12.30
2016.12.30
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