「ダイエー」の名が消えるのは、大変残念でなりません。そこで、始めたのが「ダイエー」の名があるうちに、ダイエー各店を巡り、現在の姿を記録しようと企画。今回4店目は、昨春の愛知遠征の際に訪問した名古屋の今池店をリポートいたします。
愛知県には、名古屋市内のみに5店舗(今池店、上飯田店、メイトピア店、名古屋東店、金山店)のダイエーがありましたが、昨年9月1日をもって、イオンの運営会社、イオンリテール(株)に経営移管されました。
以下、経営移管前の昨年4月のダイエー今池店の記録です。
今池店(店番号:127)は、名古屋市営地下鉄東山線・桜通線 今池駅から徒歩5分の所にある店舗。周辺は古くからの繁華街で、商店や飲食店が密集した地域です。ダイエーに通じる2本の街路(今池東南商店街)には、「ダイエー通り」の愛称が付けられ親しまれています。
▲「ダイエー通り」の愛称が付いている今池東南商店街。
今池店の開業は、1969年11月30日。ダイエーの東海地方初進出の店舗でした。東海地方で最も古い店舗ですが、建て替えは行われておらず、イオンの連結子会社となってまもない2013年10月に大規模な改装が行われ、リニューアルオープンしています。
近隣では、競合するユニーのスーパー「ピアゴ」が、7階建ての建物を2階建てに減築する大規模改装を行い、食品スーパーと飲食店を中心とした商業施設「デリスクエア」に模様替えして、2013年11月オープン。ダイエーの改装はそれを見据えたもので、食品フロアを地下1階から1階に移設。「中食」の売場面積を2倍以上に拡大しています。
ダイエー今池店に訪問して、まず3階建ての建物の周囲を回ってみました。正面は、現代風のしゃれた感じに美装化されています。しかし、側面や裏に回ると、かなり古風なビルの形が現れています。
▲左側面には、宝くじ売り場。その隣(手前)のシャッターが閉まっている所に「スガキヤ」が入っていた。
側面の目立たない所に、テナントの宝くじ売り場「今池ダイエーチャンスセンター」があります。このダイエーの文字も見納めとなることでしょう。昨年までは、この隣に名古屋地盤のラーメンチェーン店の「スガキヤ」も入っていたとのこと。
裏に回ると、従業員通用口と同じ所に「ダイエー名古屋事務所」の文字がありました。
▲古風な外灯。
▲裏にあるのは、商品搬入口と従業員出入り口。
▲「ダイエー名古屋事務所」の文字も見られた。
道を挟んで、別棟で立体駐車場と平面駐車場があり、旧来の都市型店舗ながら、駐車スペースは十分に確保されています。立体駐車場は5階建てで、4、5階は月極駐車場になっています。
▲大変大きな立体駐車場。
▲平面の第2駐車場。
▲右側面は、建物の形状が3ブロックに分かれている。
次に店内へ。地下1階から地上3階までが売り場となっており、リニューアル後も、食品から衣料まで扱う総合スーパーの形態を保っています。
営業時間は、1階食品売り場が8時〜23時、地下1階が9時〜23時、2階が9時〜21時、3階が10時〜21時となっています。
まず1階は、食料品のフロア。正面入り口から入ると、左側にイートインスペースがあるイオン系のベーカリー「カンテボーレ」があります。元々、「カンテボーレ」は、マイカルのベーカリーブランドでしたが、現在は、合併により「イオンベーカリー(株)」のブランドになっています。
右側には、大きくスペースが取られた酒売り場があります。近頃の改装オープンしたダイエー店舗で、よく見られるワインが充実した売り場です。
続いて、食品売り場。名古屋のダイエーの食品売り場は、他の地域と違って、大変特徴があります。惣菜売り場には、天むす、味噌串カツ、カップ麺コーナーには、スガキヤコーナーがあるなど、地元名物が充実しています。名物「あんかけスパゲティ」の有名店「ヨコイ」の名が付いたソースも売っていました。
肉売り場には、3月に発売されたダイエー独自開発の「家焼肉プレート」が付いたお肉セットが並んでいました。フライパンにこのプレートごと肉をのせて調理すると、煙や油ハネが軽減でき、後片付けが簡単になるというすぐれもの。
ダイエーが今後、「総合食品小売業」を目指すにあたり、食に関する世の中のニーズに応える必要があるということで開発されました。
その他、ダイエー名物の遠赤外線焼き芋の販売コーナーもこの名古屋で見ることができました。レジには、セルフレジのコーナーも導入されています。
地下1階は、日用消耗品・医薬品のフロア。医薬品売り場は、「ダイエー今池店薬店」と看板が掲げられています。創業当時のダイエーが薬局だったからでしょうか。ダイエー各店では、医薬品売り場を「ダイエー○○店薬店」という名称にしています。
2階は、レディス・メンズファッションのフロア。大部分が衣料品売り場で、キャリーケースなどの旅行用品も置かれています。また、テナントとしては、改装オープンした際に、イオン系の靴店「グリーンボックス」を導入。何とも昭和チックな喫茶店「バラード」や整体院などもあります。
▲2階にある喫茶店「バラード」。
3階は、専門店のフロア。100円ショップの「ザ・ダイソー」と、古着が大量に並ぶリサイクル衣料店「ツーハンズ」、パソコン教室が入っています。
●金山店
さて、同じく名古屋市の金山店(店番号:0762)にも訪問しました。金山店は、2014年7月に建て替えられたばかりの店舗でしたが、わずか1年2ヵ月でイオンに移管となりました。
建て替え前の店舗(店番号:0260)は、6階建ての総合スーパー(1973年6月開業)でしたが、建て替えにより、3階建てに縮小。ファッション、専門店も取り入れながらも「中食」をはじめとする食品を充実させた店舗となっていました。
▲大胆かつおしゃれに組み込まれた大きなダイエーのマークが印象的だった金山店。現在はイオンのマークに付け替えられている。
名古屋のダイエー各店では、昨年9月1日の経営移管を前に、「全力感謝セール」が行われました。しかし、同じく9月1日に経営移管された北海道・九州のダイエーが順次「イオン」に屋号変更される中、名古屋の店舗は、経営移管後の約1ヵ月間、「ダイエー」の屋号のまま営業が続けられました。
イオンリテール(株)のホームページにダイエー店舗として掲載され、チラシも関西のダイエーとほぼ同じものが配布されていました。
その後、9月末の休業日を経て、10月1日、とうとう「イオン」に屋号変更。看板も掛け替えられ、名古屋からダイエーが消滅となりました。
5店目へつづく >>
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