
阪神・淡路大震災(兵庫県南部地震:マグニチュード7.3)は、1995年(平成7年)1月17日・午前5時46分に発生。極もんは、北大阪の自宅で寝ている時に、その揺れを経験しました。とても激しく揺さぶられ、その間、布団にうずくまり身を守っていました。
当時、大阪の公式震度観測地点は1ヵ所のみで、地盤が固い上町台地にあったため、震度4としか出ませんでしたが、自分が経験した揺れはそんなものではありません。実際には、震度6程度あったものとみられています。
テレビでは、当初、大阪・梅田のビル上で工事用クレーンが倒れている映像ばかりが流れていました。その時、神戸震度6(現地調査により震度7に変更)の情報は回線の損傷により伝わってなく、神戸の人以外、政府もマスコミも神戸の惨状に気づいていませんでした。
テレビが神戸を映し出したのは午前8時台に入ってからで、阪神高速の高架が倒れるなど、想像を超える映像が映し出されるにつれ、恐怖心が高まったのを覚えています。
では、昨年から今年にかけて巡った震災遺構をご紹介します。
●神戸港メリケンパーク旧岸壁
震災で海側に大きく傾いたメリケン波止場の岸壁が「神戸港震災メモリアルパーク」として、そのままの状態で保存されています。これ以上壊れないように、石材で固めるなどの工事が施され、照明灯も傾いたまま維持されています。


●浜手バイパス被災構造物
毎年、「1.17のつどい」が行われている東遊園地から程近い国道2号浜手バイパス沿いに、浜手バイパスの損傷した橋脚、伸縮装置、支承の一部が保存展示されています。橋脚は、72基あるうち58基が壊れ、橋桁も最大3.5m横ずれしたとのことです。


●ゲームミリオン 震災時刻で止まった時計
三ノ宮駅前のゲームセンター「ゲームミリオン」の壁面に付いている時計が震災時刻のまま保存されています。こんな三ノ宮駅前の誰もがよく通る場所に震災時刻の時計があったとは知りませんでした。


●麒麟ビル 震災時刻で止まった時計
三宮の山手幹線に面した東門街北側ゲート隣の「麒麟ビル」に震災時刻のまま止まった時計があります。「MEMORIAL」という看板を付けられており、モニュメントであることが分かります。


●象ビル 震災時刻で止まった時計
北野異人館街に近い北野坂沿いの「象ビル」に震災時刻のまま止まった時計があります。北野異人館街を訪れる観光客も、象のオブジェには目がつくと思いますが、その上に震災時刻の時計があることには、なかなか気付いてないのではないでしょうか?

●西宮中央商店街 震災時刻で止まった時計
西宮市にも震災時刻で止まったまま時計があり、阪神西宮駅前にモニュメントとして設置されています。これは、西宮中央商店街アーケードに掲げられていた時計。2003年にアーケードが撤去され、モニュメントが作られました。震災では、商店街240店の8割が全半壊したとのことです。


震災時刻で止まったまま時計は、ご紹介した以外にもまだたくさんあります。
●神戸の壁・鎮魂と復興のベンチ
新長田の国道2号線地下にある「ウォールギャラリー」に「神戸の壁」を使って造ったベンチがあります。

神戸の壁とは、昭和2年(1927年)に若松市場(長田区)の防火壁として造られた壁。震災後、戦争と震災の二度の大火災に見舞われても耐え残った壁に「神戸の壁」と命名し、保存運動が繰り広げられました。しかし、残念ながら再開発される現地では残すことができず、淡路島で保存されることになりました。

▲神戸の壁・鎮魂と復興のベンチ
その移設された後に残った基礎部分を使って造られたのが神戸の壁のベンチです。このウォールギャラリーには、神戸の壁のレプリカや長田の震災被害を伝える写真なども展示されています。また、神戸の壁のベンチは、人と防災未来センター(中央区)にも設置されています。

▲「神戸の壁」レプリカ
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